−　サンルーム　−


我が家の２階に、ほんとに小さなサンルームがあるのです。

その中に、丸いガラスのテーブルと、テラス用のパイプでできたひじ掛け　椅子が４個。
そして、外で冬越しできない金土物３段ラック４つにビッシリと並べられて。
冬はどの部屋にいるより、居心地のいい、私のお気に入りになっている場所なのです。

実は、我が家には、１１才のオス、４才になる１組の兄妹、３才になる兄妹の５匹のネコが
同居しているのです。

私にとってのお気に入りの場所は、ネコ達にとっても大のお気に入りということらしく、
私が一仕事終えてお茶でも・・と入っていくと、４つの椅子は　それぞれ占拠され、足りない
もう１匹はテーブルの上でバンザイ状態でスヤスヤ・・・と。
時には、’ネ’ゴトなんぞをふきながら日なが１日’ネ’仕事に励んでいる訳です。

と言う訳で、一足遅れると、私はお茶を持って、こそこそと自分の居場所を求めてあちこちに・・・
という具合になる訳で・・・。

イヌ党だった私が、１０数年前に１匹のペルシャネコとの出会いから、今では狭い我が家に
５匹のネコが・・・。

語れば、長ーくなるので、またの機会にとして・・。

前置きが長くなりました。

ところで、１１才になるオスの”コタロウ”、漢字では”小太郎”と書きます。
普段は、”コタ”と縮めて呼んでいます。

このコタは、以前住んでいたマンションの近くに、ノラの若い夫婦の１粒種だったのですが、
その１粒種が我が家にくることになったのは・・・。


ある夕方、窓からのぞく我が家の先住のネコが私に教えるのです｡

「ママ、外を見て！！」と・・・（私、ネコ語が少々わかります。）

すると、１匹、道の真中で動かない小さな物体が・・。

その回りに、チョロチョロ２匹の小さなネコが、付かず離れずにいるのが見えます。
しばらく見ていると、どうも動かない小さなネコを気遣って、親ネコらしき夫婦が、頑張れ！頑張れ!
車が来るよ、早く道路を渡るのよ！　と言っているのです。

私、思わず飛び出して、家の反対側にある公園の付近まで、その子ネコを連れて行きました｡

心配そうに回りをウロウロする親ネコは、どうみてもまだ幼く、兄弟に見えました。
きっと、ノラの子ネコが始めて出産をして生まれたのが、更に小さいこの子ネコだったのでしょう。

このままにしたら死ぬ−と思ったので、両親（ネコの）に良く話をして預かることにしました。

片手の中にすっぽり収まるほど小さく、細い手足だけがピローとしていて。　ところが、
頭と同じ位の腫れ物が首筋から肩にかけてプクッーとあるのです。

翌日、病院へ、獣医さんは、今夜がヤマでひょっとして・・なんて・・　とにかく元気にして、
親元に返したいので、とかなんとか言ったと思います｡

一命はとりとめたのですが、前の片手が少々不自由になりました。

先生のおっしゃるには、弱い子は、自然界に戻してもきっとまたこんな　ことになるよ、と・・。

そこで、我が家の住人になった訳でして。

その小さな小さな子が、良く食べ、良く寝て１１年。今では、７ｋｇも　あります。
少々バランスの悪い歩き方をしますが、それで仲間はずれになることもなく、やさしいボスぶりを
発揮しています。

家ネコの特徴なのでしょうか、どうしても運動不足になりがちです。　仕方ないとはいえ、
他のネコ達は、ベランダの手摺によじ登ったり、屋根の上が広場代わりになり、若い連中は、
けっこう楽しくやっているのですが、やはりコタには、ちと、きついらしく、よじ登ることはありません。

最近では、年のせいもあって”食っちゃ寝ー”の毎日。
腹部のたるみたるや歩くたびに左右に”ブーラ”、”ブーラ”と揺れるのですね。

毎週通って来てくださる獣医さんが、おっしゃいました。

人間のブラとかガードルばかりでなくてネコのガードルも考えたらどうよ！！


”がーん”

”ネコのガードル”・・か？

ひょっとして、新しいジャンルが展開されるかもしれません。？？

　　　　　（メールマガジン第７号　　2000年12月2日　掲載）